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椹野川河口干潟での活動
干潟再生活動の紹介
平成17年度から、椹野川河口干潟の里海の再生を目指し、干潟耕うん作業等を実施してきた結果、あさりなどの底生生物が回復するなど、着実に成果を上げているところです。
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干潟耕うん作業
- スコップやクワなどで干潟を掘り返して泥を柔らかくし、酸素や栄養分を底生生物に供給しやすい、生物が住みよい環境を作ります。毎年春のイベントでは。多くのボランティアの協力をいただき、大規模な面積の耕うんを実施しています。
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あさりの再生活動
- 豊かな干潟の指標として、あさりの生息数を設定し、その資源量の回復に努めます。食害生物による被害からあさりを守るため、被覆網を設置し、定期的にあさりのモニタリングや網の交換を行なうなど管理することにより、あさりの資源量の回復を目指します。
カブトガニ生息調査
カブトガニは、約2 億年前からほとんどその形を変えておらず、「生きている化石」と呼ばれている、生物学的にも貴重な生物です。しかし、沿岸の埋立て等による生育場・産卵場の消失、水質汚濁等の様々な要因により絶滅の危機に瀕しており、環境省レッドデータリストの絶滅危惧Ⅰ類に指定されています。現在、山口県内では、山口湾、平生湾及び千鳥浜の3 沿岸域でしか確認されていません。「椹野川河口域・干潟自然再生協議会」では、カブトガニワーキンググループ(グループリーダー:山口カブトガニ研究懇話会 原田直宏代表)が中心となり、山口湾のカブトガニ生育場等の保全を目的とした取組を進めています。
幼生生息調査
山口湾で幼生の生息数が多い長浜、南潟において調査を実施。
長浜の調査においては、毎年8月下旬にボランティアの協力を得て、あらかじめ干潟に設定したルート(ライン)の上を2~3 人で歩き、2m 幅の中で確認できるカブトガニの幼生について個体数、前体幅、発見地点を記録する。調査範囲は、16m 間隔の20 ラインで調査を実施。
南潟の調査では、カブトガニワーキンググループを中心に、協議会のメンバーで60 m 間隔で5 ラインを設定し調査を行った。
カブトガニ幼生調査結果一覧
長浜 (発見個体数) |
参加人数 | 南潟 (発見個体数) |
参加人数 | |
---|---|---|---|---|
2006年 | 555 | 50 | 101 | 協議会委員で実施 |
2007年 | 442 | 42 | 17 | |
2008年 | 265 | 51 | 28 | |
2009年 | 210 | 37 | 13 | |
2010年 | 194 | 38 | 39 | |
2011年 | 550 | 43 | 126 | |
2012年 | 985 | 48 | 325 | |
2013年 | 1,368 | 40 | 384 | |
2014年 | 848 | 42 | 406 | |
2015年 | 1,396 | 54 | 366 | |
2016年 | 876 | 48 | 341 | |
2017年 | 654 | 43 | 259 |
協力:カブトガニワーキンググループ原田委員
環境学習
あさり姫プロジェクト
あさり姫とは、あさりの育成方法で、竹(あさり姫の館)の中にあさりの稚貝を入れて大きく育てることから、あさりをかぐや姫に見立て名付けられました。繁殖力の強い竹の増加は、他の樹木の成長を阻害するなど、森林の問題にもなっていることから、徳島県「沖洲海浜楽しむ会」が考案した竹を有効活用したあさりの育成方法です。
あさり姫の館には、あさりをナルトビエイなどの天敵から守る。 あさりの快適な温度環境になる。 親のあさりが守られ、子どもが増える。といった効果が期待されています。
あさり姫の館は、椹野川の上流で伐採したモウソウ竹をあらかじめ、3節ごとに切り、全ての節を抜いた状態に準備①。その後は、各自で自由に竹にスリットを入れるなどの加工②した後、干潟へ移動し、あさりの稚貝を採取し③、竹の中に泥と一緒に入れて④干潟に設置⑤。一冬を越した来春に中のあさりの成長の確認を行います。
モウソウ竹を切って準備
加工
あさりの稚貝を採取
稚貝を竹の中に入れる
干潟に設置
協力:竹林ボランティア山口
生物観察会
椹野川河口干潟には、とても多くの種類の生物が生息しています。干潟耕うんイベントやカブトガニ生息調査の際は、参加した子どもたちを対象に生物観察会を開催しています。この観察会は、子どもたちに干潟で採取してもらった生き物を種類毎に分類し、講師の先生に説明してもらうものです。講師は協議会の後藤委員、水産大学校の学生に補助をお願いしています。
協力:後藤委員、水産大学校
干潟があることは、大切なこと
干潟に出て、潮の満ち引きやカニなどの生き物を見たり、潮の香りを楽しんだり、子どもの頃に干潟を掘り返し、アサリ等の貝を見つけた時の感動は鮮明に覚えているものです。こうした豊かな干潟環境が失われつつあることは残念なことです。
干潟があることにより、気づかないうちに受けている恩恵も多いと思います。干潟の自然を守るために進めている取組も協議会や個人の力では限界があります。1人1人の力は小さくとも、集まれば大きな力となることから、あなたも干潟の自然再生活動に参加してみませんか?
問い合わせ先
山口市環境政策課
〒753-0214 山口県山口市大内御堀496番地 清掃工場2階
電話番号:083-941-2180 ファックス番号:083-927-1530