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みんなの取組レポート

地球にやさしい“安心安全な食”を届ける

  • 学生レポ
  • 県内企業の取組
  • 取材:山口県立大学〈原田裕作、奥田佳凛、福谷萌、山中愛海〉
  • 協力:株式会社フジコーホールディングス(MIHORIグループ)

COOL CHOICEな取り組み内容

安心・安全な食材を提供するという理念のもと、「みほりファーム」をつくり、有機野菜の栽培に取り組まれています。有機栽培とは、化学農薬や化学肥料、遺伝子組み換え技術を使用せずに農作物を栽培することです。水を汚染しない・土が健康になるなど、環境面にもメリットがあります。また、廃棄される食料を用いて堆肥化し、農作物の肥料として再利用しています。具体的には、もみ殻や糠、そしてだしをとった鰹節など、水分の少ないものが用いられています。この肥料によって土は柔らかくなり、匂いも良くなるようです。このような健康な土で育った有機野菜は、害虫被害も受けにくく、強く安全な野菜に成長するのだそうです。こうして育った野菜は、MIHORIグループ各店舗のお料理の一部に使用されているほか、この野菜を使用した有機ペーストの製造も行われています。皮や種まで丸ごとペースト化するため、野菜の栄養素を多く摂取できます。有機ペーストは、野菜ジュースやベビーフードなどに活用されており、「有機にんじんペースト」はMIHORIグループ一部店舗やオンラインショップの販売もされているそうです。野菜を皮ごと使用するため食品ロスの削減につながるとともに、栄養素を多く含み、安心安全である有機ペーストは幅広い料理に活用できるため、消費者からの需要も高まっているとのことです。そして、MIHORIグループの各店舗でも環境に配慮した取り組みを行っています。仕出しの一部の包装資材を陶器に置き換えることで、食器を持って行って、持って帰る「ツーウェイ方式」を活用しているほか、ストローや箸、持ち帰り袋なども環境に配慮した素材を使用しているそうです。さらに、店舗での食べ残しや生ごみなども堆肥化し、食品ロス削減に貢献されています。今後は野菜だけでなく、果物や稲作にも挑戦し、農作物の幅をもっと広げていきたいと話していただきました。(福谷萌)

皮や種まで使用した有機ペーストは、新たな食品に生まれ変わっていました!福谷萌

みほりファームでの有機栽培
皮ごとペースト化した「有機にんじんペースト」を販売
ストロー・持ち帰り袋は環境に配慮したものを使用

取り組みをはじめたきっかけ

COOL CHOICEな取り組みを始めた最初のきっかけは「メニューの幅を増やしたかったから」だったそうです。そこから野菜の酵素分解の機械を購入したり、農家の方と繋がりができたりしたことで、農業について勉強する機会が増えたといいます。野菜や土、種などの知識が深まるにつれ、「食べ物は体に直接入るものだから安心安全なものでなければならない」と強く感じるようになり、同時にお客様に安心で安全なものを食べてもらいたいという思いをより強く持つようになったことで、現在も有機野菜にこだわって栽培をされています。化学肥料を使用しないことで水が汚染されず土も元気になるので良いこと尽くしなのだそうです。(山中愛海)

取り組みにより変わったこと

「COOL CHOICEな取り組みを始めて変わったことは?」という問いに対し、「私たちの意識です。有機野菜の沼にハマってしまいました。」と株式会社みほりファーム代表取締役の古谷さん。有機野菜を栽培されている他の農家さんとの繋がりができ、日本の有機農業への取り組み方について考えることもしばしばだそうです。有機野菜を育てることで食の安全に対する自覚が芽生え、それを近所の子どもたちに伝える機会も設けています。幼いうちから自分が食べているものがどうやって作られているのか知ることで、食の安全に対する意識を育んでいければいいなという思いで取り組まれているそうです。(山中愛海)

地域の子どもたちが有機野菜に触れあう機会も大切にされていました。

今後の展望

有機栽培はお客様に安心安全なものを提供できるだけでなく、環境にも配慮された農法です。最近は野菜だけでなく、レモン等の果物の有機栽培にも取り組まれているそうです。今後は状況に合わせて有機稲作に取り組むほか、ビニールハウスを作り、天候や季節に左右されることなく葉物野菜を作りたいとおっしゃっていました。「有機農法の取り組みが今後どのようになっていくのか、期待が高まりますね。私たちも有機栽培を地域の方やお子様に体験してもらう取り組みを今後も続けていきたい。」と有機栽培の発展と、みほりファームが担う役割や今後の展望について、強い思いを語っていただきました。(奥田佳凜)

みほりファームの展望について熱い思いを聞くことができました!

クールチョイス編集部インタビューの様子
株式会社みほりファーム
代表取締役古谷高文(ふるやたかふみ)さん
農場長高木秀明(たかぎひであき)さん

“安心安全な食”を届けるために

みほりファームさんでは「安心安全の食」という理念に基づいて、有機野菜の栽培をしておられます。山口県は全国の中でも有機野菜の栽培量が極端に少ないということをお聞きし、その取り組みの難しさを知りました。その他にも、生ごみを堆肥化したり、仕出しの一部の包装資材を陶器に置き換えるなど、包括的に環境問題を意識した方針を持たれています。食材を作り、料理として提供するまでの限られた過程の中にもサステイナブルな取り組みの可能性を感じました。これから、私自身が口にする食材がどこでどのように作られたものなのか?という視点を持つよう心掛けたいと思います。

原田裕作
国際文化学部
文化創造学科4年

(株)フジコーホールディングス

お客様に最高のサービスと満足を提供したいという想いから、おいしさはもちろん、安心・安全を追求し外食産業を展開しています。平成28年には防府市右田に「みほりファーム」を設立し、自社栽培で収穫された有機野菜はグループのレストラン事業部に供給し、料理食材として提供されています。

株式会社フジコーホールディングス
(MIHORIグループ)
山口県山口市大内中央1-8-1
TEL.083-927-6336
https://www.mhr.jp/company/

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